白鴉絵日記とかとかとか

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バレンタインデーとか作ったのは誰だ

放課後の静けさの中、薄暗く、ほのかに赤みを帯びた廊下を歩いていく。
授業が終わり人気のなくなった校舎では自分の歩く足音がコンクリートの壁に響き、ただ遠くから運動部の掛け声だけが微かに聞こえてきた。


 ゆっくりと階段を上がり、立ち入り禁止の看板を気にせず脇をとおる。鉄製の分厚いドア、ノブを捻り開けると溢れる真っ赤な光に眩み思わず目を細めた。

「遅かったじゃない。何してたのよ?」

 若干遅刻している俺への予想通りの不満の声に

「ゴンドーに呼び出し食らってたんだよ」

 答えた。

 いつもどおり俺の都合も聞かずに呼び出した奴が、屋上のフェンス際に立っていた。
逆光で顔は見えないが、誰だかはわかる。
立ち入り禁止の屋上に勝手に入って、我が物顔に使うような奴はいまのところ俺と、目の前にいるあいつしか見たことがない。

「またあんたのことだからなんかやったんでしょ・・・」

「いや、今度化学の追試やるから月曜も来いって言われた」

「うっわ、普通にバカじゃない」

「いや、まぁしょうがない。大会もあったしな」

「・・・そうね」

 今年で3年にあがる俺とっては、今回が実質高校生活最後の大会でもあったのだが




「まぁそんなのはどうでもいいや、で、いったい何の用だよ?」

「あ、それがね。」

 一拍間を置いて話始める。

「実はチョコが一つ余っちゃって・・・」

 そういえば今日はバレンタインデーだ。でも確かさっき・・・

「チョコ?さっきお前くれたじゃん」

「いや!ね!そうなんだけど・・・」

「ん?・・・もう一つくれるってことか?」

「そう!そうなの!余っちゃってもったいないからさ。はい!


バレンタイン妄想



「・・・」

「なに?なんで受け取らないのよ」

「いや、明らかにさっきのチョコとラッピングの気合の入り方が・・・」

「いいから!」

 微かに頬が赤く染まってるように見えるのは夕焼けの所為だけでだろうか。
 とりあえずそろそろ怒り出しそうなので受け取っておくことにした。・・・理不尽な怒りをかってまたアザを作るのはごめんである。

「お、おう・・・ありがとな」

「素直でよろしい」

「ん。じゃあこれいつもの」

 買ってきた缶コーヒーを投げて渡す。
ちゃんと受け取るのを見た後、ふと空を見上げた。

 乾いた風に澄んだ空気、屋上から眺める景色は遥か遠く。山肌に傾いた日は綺麗な朱色を空に流していた。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

「んで、お前なんで髪型変えたの?」

 しばらくコーヒーを飲みながらたわいもない話をした後に、昼間見た時から気になっていたことを聞いてみた。

「え、っと・・・あんたがツンデレが好きって言ったから・・・」

 ・・・おいおい。

「ツンデレだからって、ツインテールって・・・どこで得た知識だよ・・・」

「B組の飯田」

 あいつ、今度あったら絞めてやろう・・・。

「ってかさ、そもそもお前・・・元からツンデレじゃん」

え!?


fin

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